ロケットについて
推進剤が気体と固体、液体と固体など、異なる相の”ハイブリッド”であるロケットエンジンシステムをハイブリッドエンジンと言います。これを推進力に用いたロケットの総称がハイブリッドロケットです。当団体ではこのハイブリッドロケットを主に打ち上げています。
ハイブリッドロケットは液体燃料ロケットと比較して配管が短く済むなど機械的に構造が単純です。固体燃料ロケットと比較しても燃焼効率が高く、酸化剤の噴射量で出力の調整できる利点もあり、爆発の危険性が低く、毒性もないため安全性にも優れています。一方、燃焼が進行した際の推力低下や燃焼速度の遅さ等の課題も抱えています。
F.T.E.では液体燃料(N2O)と固体燃料(ABS) を用いたエンジンシステムを採用しており、その運用には地上支援機材(GSE)が必要です。機体の外装にはGFRP 等の複合材料を採用しています。打ち上げた機体を安全に回収するために、パラシュート等の減速装置とその放出を担う解放機構が搭載されています。飛翔中のデータ取得や解放機構の動作は電子制御で行っています。
FTEでは、過去の打ち上げで獲得した基本的な打ち上げのノウハウを引継ぎつつ、特に3点に力を入れて打ち上げを行っています。
1つ目は自団体最高高度更新を目的とした打ち上げです。これは私たちの大気圏突破の理念を最もよく表したものです。また、高度というわかりやすい基準によって私たちの成果を多くの人に知ってほしいという願いがこもっています。
2つ目はまだ誰も目にしたことのないような新技術を載せたロケットの打ち上げです。私たちの開発した新技術や、それにむかって挑戦する姿をみて、多くの人に夢と感動を与えたい。そのような私たちの思いを形にしたものです。
3つ目は多くの人の記憶に残るような美しいロケットの製作です。私たちのロケットをみて、多くのひとが憧れを抱く、そんなロケットを目指して長い時間をかけてデザインを考え、やすりがけを行い、塗装を行っています。